英語教員が日々の気づきを発信するブログ

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東京都 教員採用試験 学習指導案

2014年に東京都を受験した際の学習指導案を掲載します。

少しでも参考になれば幸いです。

なお、高校は今年度から学習指導要領が変わっているため、評価規準が変わっておりますのでご留意ください。

なお、最新版の学習指導要領はこちらから無料でダウンロードできます。

文部科学省のサイトにリンクします。)

 

中高共通・英語

受験番号    

氏  名      

1 単元名「Kimonos are Cool!」(大修館 Compass English Communication Ⅰ)

2 単元の指導目標

 (1)教科書の英文の構造,慣用表現及び文の意味を理解することができる。

  (2)自分の考えを論理性のある複数の英文で表し,表現することができる。

  (3)「主語+動詞+目的語」の構造を持った文のうち,目的語にthat節を含んだ文を理解し,書くことができる。

  (4) 日本や海外の文化について,生徒自身が「Cool」だと思うものについて,2文以上の英語で紹介できる。

3 単元の評価規準

 

ア コミュニケーションへの関心・意欲・態度

イ 外国語表現の能力

ウ 外国語理解の能力

エ 言語や文化についての知識・理解

単元の評価規準

音読,ペアワーク,プレゼンテーションへ積極的に取り組んでいる。日本や海外の文化の違いや良さについて理解しようとしている。

自分の考えを構造的に正しい2つ以上の文で構成されるまとまりのある文章によって表現することができる。

教科書本文の内容を理解することができる。ALTや他生徒の言いたいことを的確に理解することができる。

第3文型のうち,目的語にthat節を含んだ文を理解することができる。文中のbecauseなどの接続詞を理解することができる。

4 指導観

  • 単元観

 本単元の内容では,身近な話題を通して,日本の文化の特徴に関する事項を扱っており,生徒たちが日本と海外の文化の違いやそれぞれの良さについて知る機会を与えるものである。文法事項については,「主語+動詞+目的語」の構造を持った文のうち目的語に節を含むもの及び接続詞を扱っている。これらは,今後,文を理解したり書いたりする上で基礎となる構造であり、確実に理解させたい事項である。

 

  • 生徒観

英語で会話することに慣れておらず,2割程度の生徒がペアワークやアクティビティにおいて自信のなさが見られる。一方,書く活動においては入学当初から授業の冒頭の英作文の小テストを継続した結果,英文を書くことに抵抗が減り,生徒のほとんどが,「主語+動詞」の構造を理解し,英文を書くことができる。聞いたり,読んだりする活動については9割以上の生徒が集中して取り組むことができる。

 

  • 教材観

 親しみやすい題材を通して,生徒たちが発話しやすい雰囲気を作っていきたい。授業の冒頭では前時の復習のための英作文の小テストを継続して行う。また,ワークシートを用いて,生徒に自分が「Cool」だと思う日本や海外の文化について書かせ,それを基にプレゼンテーションをする機会を設ける。準備段階として,主張の後に理由を述べるというフレームワークを用いて生徒にワークシートに記入させる。その後,ALTにモデルとなるプレゼンテーションをしてもらい,それをモデルとして,毎回の授業で取り組んできた英作文の活動を生かし,まとまりのある文章を作成できる能力を身につけさせたい。

5  単元の指導計画と評価計画

 

学習活動・学習内容

学習活動に即した具体的な評価規準

第1時

単元の題名にある「Cool」という語について考え,どのようなものが「Cool」であるか考える。p.31~32の導入。次回までに自分で「Cool」だと思うものを調べるという課題を出す。

(ア)「Cool」の意味について自ら考えようとしているか。音読に積極的に取り組んでいるか。

第2時

課題の確認。調べてきた課題をもとにワークシートに必要事項を記入する。本文p.31~33の本文理解。接続詞を使った文を理解し,接続詞を使って英文を作る。

(ア)課された課題に対し,取り組んでいるか。(ウ) 本文の内容について理解できているか。(エ)本時で扱った文法事項を使って英文を作ることができているか。

第3時

前時学習した文法事項の復習。本文p.34~36の本文理解。第3文型のうち目的語にthat節を含むものを理解し,英文を作る。

(ウ)本文の内容について理解できているか。

(エ)本時で扱った文法事項を使って英文を作ることができているか。

第4時

ALTからの日本文化の「Cool」なところに関するプレゼンテーションを聞く。自分の「Cool」だと思う日本文化についてプレゼンテーションの準備をする。

(イ)ALTのプレゼンテーションの内容について理解できているか。(ア)プレゼンテーションの準備に積極的に取り組めているか。

第5時

「Cool」な日本文化又は海外の文化についてプレゼンテーションをし,ワークシートにまとめる。

(ア)相手の発表を理解しようとしているか。(イ)自分の言いたいことを相手に伝えようとしているか。自分の考えを構造的に正しい,2文以上の文章で表現できているか。

 

6 指導に当たっての工夫等

  英語に対して,苦手意識を持っている生徒に対しても,親しみを感じるきっかけになるように,「Cool」という言葉に焦点を当てて単元の導入をする。また,生徒自身が「Cool」だと思うことを調べさせ,主体的にプレゼンテーションに取り組むきっかけとなるようにする。

英文を作るにあたって,生徒には毎時,3~5つの英文を書く小テストを行っており,日本語を英語に訳すことには慣れてきている。その一方で,自由英作文をする際には,先に日本語で複雑な意味の文を作り,英語に訳しようとしてつまずく場合がしばしば見られる。そこで,プレゼンテーションの前の時間にALTから”I think ○ is cool because □ is very △. ○ is used in ☆. ○ is very popular in ☆.”などのフレームワークを使ったプレゼンテーションを行ってもらい,そのフレームワークに沿って英文を書くことで,スムーズにプレゼンテーション原稿を作成できるようにする。

メモ

・単元指導計画を作成するにあたって留意したこと

・まずは、生徒にどのような知識・技能を身につけさせるべきか、身につけさせたいかを考えました。

・生徒が見えなければ指導できません。自分のなかに対象を持って、その対象をどのように伸ばしたいか、どんなアプローチをして伸ばすかといった感じで考えました。

そのために、学習指導要領を読み込み、何をどう身につけさせるべきなのか読み取りました。また、私自身の経験から、アメリカに留学中、授業及び友人との議論において「Why?」と問いかけられ、口ごもってしまうことが多かった経験から、根拠を基に話す、つまり、「論理性」を持って話を組み立てられる力を身につけられるような授業を展開したいという思いを組み込みました。

また、私自身、よい授業とは常に、筋道が立っており、一つ一つの活動の説明がつくものだと思っています。(現場では生徒が楽しめて英語が好きになり、自立した学習者に近づけることが重要なのかなとは思っています。)

上記で述べた事柄に留意して指導案を作成しました。

  •  学習指導要領に沿って作成する。
  •  生徒の実態について、実際にありうる状況を想定し、数字を使って具体的に状況を表す。
  •  評価規準について、学習指導要領に示されているものを参考に作成し、文末を「~できる」、「~しようとしている」という形にし、Yes or Noで判断できるものにする。併せて、具体的な評価規準の部分についても、評価可能かどうかを考えながら作成する。

 

結果的に、指導案を他人が読んで、授業者が生徒に、「何を」、「どれだけ」、「どうやって」学ばせたいか、また、その評価をどのように行うかが明確につたわる指導案がよい指導案だと考えます。指導目標、指導観、評価規準、単元の指導計画、指導方法の工夫に一貫性があれば、なぜそれをやるのか?という質問に答えられます。前述した「Why?」に応えられるというのは非常に重要だと思います。ネガティブな言い方になってしまいますが、論理的に一貫性があれば、万が一授業がうまくいかなかったとしても、前提が間違っていたのか、運用が間違っていたのか、うまくいかなかった原因を分析し、次につなげていくことが可能です。

そのような考えのもと前頁の指導案を作成しました。

 

 おまけ①2次試験について

  面接では、A,B,C3人の面接官から、A「志望動機」⇒B「単元指導計画」⇒C「生徒指導」について聞かれました。

  Aからは、志望動機、教員になったら自分の経験したことの中で何をどう生かしていきたいか。学校の地域における役割とは?

  Bからは、単元指導計画について、もし、導入の部分で「Cool」という単語の意味がわかっていない生徒がいたらどうするかといった質問がありました。また、ALTの活用においてどのように彼らを活用するかについて聞かれました。

  Cからは、部活動中の指導について聞かれ、けがをした際の対応等について、初動をどうするかといったことを聞かれました。

 

  面接では、何点をつけられたのかはわかりませんが、結局、合格しました。

  面接官はみなさん素敵な方ばかりでした。厳粛な雰囲気での面接でしたが、常にWhy? を考えていれば、特に問題なく対応できると思います。

  志望動機については、自分が本当に何がしたいのか?単元指導についても、なぜそうしたのか?こういった状況ではどう対応するか?生徒指導についても、優先事項は何か?根本的な問題は何か?根本的なところをしっかり押さえておければどんな質問に対しても対応できます。また、知識的な質問をされて、答えられないものもありましたが、その時は、素直に「勉強不足でわかりません」と伝えました。

 

おまけ②英語の各種資格について

  TOEIC970点、英検1級を持っていたので、専門試験の面接は免除でした。

これらの肩書が幾分プラスになることもあると思いますので、もし興味があれば・・・

  TOEIC・・・公式問題集1冊を何回も、9割とれるまでやりました。私はそれ結果、スコアが半年で550⇒905まで上昇しました。

        文法はそれほど難しくなく、リーディングとリスニングを何度もやってビジネス用語をマスターすれば、センター試験とそれほど難易度は変わりません。ただ、200問あるため、スピーディに読みこなすために、慣れが必要です。そのためには、200問を本番同様に解いてみる、また、何度か実際に受けてみるという実践と、毎日取り組むという姿勢が重要だと思います。

  英  検・・・TOEIC900を突破する方がはるかに簡単ですが、まずは過去問を繰り返しやりました。単語については、徒労に終わる部分も多いので、まずはリーディング⇒リスニング⇒英作文⇒単語の順に1年分(3回分という意)やりました。英作文ではロジックが非常に大事なのと、書くテーマを持っておくことが重要だと痛感しました。結局、エッセイが全くかけず、3回ほど落ちた後、時間に余裕ができて受験してみたら合格しました。過去問はHPにアップされているので、無料です。解説が必要な場合は、旺文社から解説付き過去問が出ています。

  TOEFL・・・留学に行く前に2週間ほどでibtの準備をしたのですが、100点に到達してはいなかったため、経歴には書いていません。これについても公式ガイドブックを徹底的にやるのをお勧めします。ただ、受験料が非常に高いので、留学等の目的がない場合には、まずはTOEICを何度も受けて、900を突破されることをおすすめします。